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| 因 縁 |
正月にいつも仕事をお願いしている庭屋さんからいい話を聞いた。
木はぐんぐん伸びなければならない。
それを囲ってしまって伸びなくしたら、木は困ってしまう。だから伸びられないというのが「困」という字になったんだと言うのだ。
木でも人でも頭を押さえられて伸びを止められてしまうと、困ってしまいその苦しさを困苦というんだなあ。
なるほどとえらく納得して、後日ある酒の席で庭屋さんから仕入れた、その教養をお披露目した。
ところがその席に、えらくほんとうの教養のある人がいて、それなら人を囲いに入れたら囚人の「囚」の字になるね、と教えられた。そして大という字は、人間が手と足を広げて大きくなるという字だ。その大を囲いに入れて、その囲いの中で大きくなっていられる環境、そういう因縁によって人が生かされている、それが「因」という字だというのだ。そしてだれのおかげで自分が大きくなっていられるだろう、という感謝の思い、それが「恩」なのだと。
漢字ってすごいなあ、哲学そのものなんだなあと、この歳になって納得した。 |
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